「子どもの居場所があることを伝えたい」 本プロジェクトアドバイザー 新潟県立大人間生活学部子ども学科・小池教授
「こどものいばしょ応援プロジェクト」では、このたび新潟県立大学の小池由佳教授にアドバイザーとして助言などをいただくこととなりました。11月22日のBSNテレビ「こどものいばしょ応援プロジェクトインフォメーション」で放送したインタビューの内容を掲載します。
Q1:子ども食堂の目的・成り立ちについて教えてください。
子ども食堂は、2012年に東京都大田区で「気まぐれ八百屋だんだん」を運営されていた太田さんが、「子どもがひとりでいくことのできる場所」の必要を感じて、始めました。これまで、地域で多様な人たちがかかわる場を設定していた「だんだん」で、「子どもだけで、来てきていいよ」ということを伝えるために「子ども食堂」をいう名称を掲げて、活動が始まっています。この目的は今もかわらず「子どもだけでも来ることの出来る食堂」が子ども食堂の目的です。
Q2:全国でも子ども食堂はいろいろとあると思いますが、新潟県の特徴などありますでしょうか?
新潟県内では現在、約70近い子ども食堂が運営されています。特徴のひとつに名称に地域性が見られることがあります。「子ども食堂」は、子どもだけでなく、親子でも大人だけでも利用することができます。「大人だけでも利用できる」ことや「地域の人たちにとっての居場所」であることを伝えるために「地域食堂」や「みんな食堂」などの名称で活動されている食堂もあります。下越では、「子ども食堂」という名称で活動されている団体が多いですが、他の地域では「子ども」を入れない名称の団体が多いです。いずれにおいても「子どもがいていい場所」であることは変わりありません。
Q3:コロナ禍で今の子ども食堂のおかれている現状と課題を教えてください。
コロナ感染症対策が必要となった昨年の2月以降、多くの子ども食堂がその運営を中止せざるを得ない状況になりました。同時に、利用されていたみなさんのことを思い、なんとか運営を再開する方法を検討されてきました。現在、休止中の団体もありますが、お弁当や食材の提供に取り組むことで再開される団体が増えてきています。
課題としては、コロナ禍で安心して運営できる感染症対策はもちろんのこと、みんなで一緒に食べる会食型から、お弁当配布に伴って新たに発生した費用の確保、公共施設で運営していた団体は、借りることが出来なくなった等の課題が生じています。
Q4:プロジェクトへの思いをお聞かせください。
地域に「子どもの居場所がある」ことは、子どもたちに「地域で自分たちが大切にされている」「あなたのことに関心のある大人たちがいる」という大人や社会からのメッセージです。大人が立場を超えてつながりあいながら、このメッセージを子どもたちに伝えて行くことができるプロジェクトになることを願っています。
小池教授のインタビューは、11月26日のFM-NIIGATA「Life is wonderland」でも午後2時9分頃からの「ペロリ元気食」のコーナーで放送しました。12月2日までRadiko(ラジコ)のタイムフリーで聴くことができます。
https://radiko.jp/share/?sid=FMNIIGATA&t=20211126140845
<こいけ・ゆか> 奈良県生まれ。大阪市立大大学院生活科学研究科修士課程修了。新潟県立短大講師、県立大准教授などを経て2018年から現職。専門は児童家庭福祉。