新潟県内の子ども食堂の現状をまとめた「新潟こども食堂・居場所白書2024」発行
新潟こども食堂・居場所ネットワーク にこねっと(以下、にこねっと)が「新潟こども食堂・居場所白書2024」を発行。にこねっと代表・新潟県立大学教授の小池由佳氏にFM-NIIGATA上村知世さんがお話を聞きました。(2025年5月29日 新潟日報 朝刊掲載)
にこねっと代表・新潟県立大学教授の小池由佳氏(写真左)、FM-NIIGATA上村知世さん
◇新潟県内の子どもの居場所の今を知り、理解を深める
上村:
にこねっとの活動について教えてください。
小池:
全国的に子ども食堂が増えていく中で、新潟県内でも子ども食堂同士のつながりを作り、寄付や助成金の情報をまとめる役割を担う「中間支援組織が欲しい」という声が地域や活動する人たちから聞こえてきました。そこで県内で活動する子ども食堂を応援するために2023年春に設立しました。
上村:
にこねっとは、ことしの3月に「新潟こども食堂・居場所白書2024」を発行しました。
小池:
新潟県で子ども食堂が立ち上がってことしで10年目。170を超える子ども食堂が活動しています。白書では新潟県の子どもの居場所の今を知ることを目的に 1.運営を知る 2.活動の意義を知る 3.広がりを知る 4.私たちにできることを知る という4つの観点を盛り込んでいます。子どもの居場所の今を知り、理解を深めてほしいです。
上村:
白書の内容を教えてください。
小池:
新潟県内の子ども食堂の運営団体、フリースクールの運営団体、子ども食堂とつながる子どもから大人までを対象としたアンケート結果を数字やグラフでまとめました。運営団体代表の皆さんの座談会も掲載しています。
上村:
2021年に発行した「NIIGATAこども白書2020」との違いや特長を教えてください。
小池:
今作の「第1章 こども食堂編」では子ども食堂とつながりのある、子どもから大人までのアンケート調査結果を加えました。また、新たな居場所として、第2章でフリースクール、第3章で多様な子どもの居場所を取り上げています。
【数字で見る新潟のフリースクール】活動を始めたきっかけ
調査対象:新潟県内でフリースクールを運営・準備している個人、団体
「新潟こども食堂・居場所白書2024」より一部抜粋
上村:
白書から見えてきた、こどもの居場所やこれからの課題は。
小池:
子ども食堂の運営に関して運営団体から「今、できることをできる範囲でやっていきたい」との回答が出てきました。今後も「無理をしなくて良いんだよ」を共有していきたいです。
上村:
継続して活動するためにも無理は禁物です。
小池:
はい。できる範囲で活動を続けていくことが大切です。また、地域の中で誰もが自由に参加できること、子どもや大人が安心して過ごせることなど、居場所としての役割も見えてきました。
【数字で見る新潟のこども食堂】地域の中でのこども食堂の姿
調査対象:新潟県内で、こども食堂とつながりのある方
「新潟こども食堂・居場所白書2024」より一部抜粋
◇地域の中で子どもが安心して過ごせる居場所を広げる
上村:
調査結果で特に気になったところはどこですか。
小池:
学生の回答で「楽しい」のほかに大学生からの回答で「自分のできることをやりたい」とあり、子ども食堂を活動の場として捉えているのが印象的でした。また、大人は食の提供を大事にしていますが学生は誰もが自由に集まり、安心して過ごせる居場所への期待が大きいことが分かりました。
【数字で見る新潟のこども食堂】こども食堂につながっている理由
調査対象:新潟県内で、こども食堂とつながりのある方
「新潟こども食堂・居場所白書2024」より一部抜粋
上村:
最後にメッセージをお願いいたします。
小池:
地域の中で子どもが安心して過ごせる場があること。その中で大切にされる経験をしていくことが子どもはもちろん、大人や地域の元気にもつながっていきます。新潟県内に子どもが居場所と感じることをできる場所が増えていくことを願っています。皆さんの力を貸していただけるとうれしいです。
上村:
白書を読んでみたい人は、にこねっとの事務局にお問い合わせください。
●新潟こども食堂・居場所ネットワーク にこねっと
【問い合わせ】
電話番号:025-522-6639(にこねっとネットワーク事務局)
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